最近米国株式市場でバブルが起きている可能性があります。しかし、
投資にはリスクがつきものであることを忘れてはいけません。
投資を始める前に、しっかりとリスクを考慮し、適切な投資を行う
ことが大切です。特に、一般人が行う米国インデックス投資では、
投資家がするような企業の評価ができないため、株価が実際の
企業価値を超えて膨らむ可能性があることも理解しておく
必要があります。安易に手を出すのではなく、リスクをよく考えて、
投資に取り組むことが重要です。
アメリカ株価上昇の原因は自社株買い?
最近話題になっているのは、アメリカの株価が上昇した原因の一つに、
上場企業が自社の株を買い戻す「自社株買い」があるということです。
自社株買いは、企業が自社の株を買い戻すことで、株主に対する
サービスの一環となり、株主還元とも呼ばれます。最近では、
自社株買いを積極的に行う企業が株価が上がりやすくなるということ
で注目を浴びています。
自社株買いが行われると、買いの圧力が強くなり、株価が上昇しやすく
なるとともに、市場に流通する株数が減り、一株当たりの利益が
増えます。
アメリカの企業は、他の多国籍企業に比べて自社株買いを積極的に
行っていると言われており、その金額は、欧州企業のおよそ3倍から
10倍、日本企業の10倍以上にもなると試算されています。
2018年には、自社株買いだけで8000億ドルを超える巨額の資金が
米国の株式市場に入ったということで、驚きです。
自社株買いのデメリットとは?
しかし、自社株買いにはデメリットもあります。まず、自社株買い
は本来であれば自社の成長に充てることができた資金を投資家に譲り
渡すことになります。
また、自社株買いによって短期的に株価を上げることが経営者の思惑
としてあります。特に、企業がストックオプションなどの株価に連動
する報酬制度を採用している場合、経営者は自社株買いによって株価
を上げることで自分の報酬を増やすことができます。
つまり、自分の個人的な利益のために会社の将来的な成長を犠牲に
する悪賢い経営者もいるのです。アメリカの企業の中には、銀行から
借金をしてまで自社株買いを行っている企業もあります。
例えば、マクドナルドやスターバックスなどが挙げられますが、これら
の企業は借金による自社株買いの結果、債務超過となっていることが
あまり知られていません。
自社株買いが招くバブル崩壊と株価下落のリスクとは?
米国の金利上昇が続くと、返済負担が増加し、マクドナルドや
スターバックスなど有名な大企業でさえ、次のバブル崩壊で倒産する
可能性があります。
また、自社株買いによって株価が不当に上昇している企業は、自社株買い
ができなくなると急激な株価下落のリスクがあります。金利上昇によって、
自社株買いの資金調達ができなくなると、返済負担が増加し、多くの企業
が苦境に立たされる可能性があります。
米国株式市場がドットコムバブルで崩壊?
1990年代後半から2000年にかけて、米国の株式市場はドットコムバブル
というバブルを経験しました。このバブル崩壊では、米国株は約50%、
米国成長株は約80%もの下落を経験しました。
しかし、そんな有事にあっても、米国の割安株や新興国株に投資していた
人たちはバブル崩壊の被害を免れ、逆に大きなリターンを得ることが
できました。そうであれば、アメリカを含めた世界中の株式を投資対象に
することが最良の選択であると、巷ではよく言われています。
世界株式インデックス商品のリスク分散と投資効率
世界中の国の株式に広く分散投資しているとはいえ、実際には米国株が
約60%を占めている世界株式インデックス商品。最近では、米国以外の
株式も米国株に連動しやすくなっています。
確かに、世界株式インデックスに投資することは、米国株に集中するより
はリスク分散ができるかもしれません。例えば、時価総額荷重平均方式で
運用されるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、強い国
には多く投資し、弱い国には少なく投資することで、ポートフォリオの
バランスを自動的に調整してくれます。
しかしながら、バブル崩壊が起これば、米国株が本格的に崩れてしまい、
世界中の株式インデックスもそれに連動して大暴落する可能性があります。
そこで、1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリーマーコヴィッツ博士
の現代ポートフォリオ理論に基づく世界分散インデックス投資が注目され
ています。平時においては、相場の上下に左右されずコツコツと積立投資
をしていくことが、無難な選択肢と言えます。
まとめ
Idecoや積立NISAを活用して、インデックス投資で資産形成をしている人は
多いですが、今、過去最大のバブルに巻き込まれ崩壊が迫る米国株が世界株式
インデックスの過半数を占めている現状では、単純に投資を続けることは
リスクが高すぎます。
これまでの積立分は保有しておくとしても、今後新たに投入する資金は、
少なくとも米国株バブル崩壊まで、別の資産に避難させることを検討するのも
一つの方法です。安全かつ効果的な資産運用のために、今こそ投資先の
見直しをしてみましょう!
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