ライスブランオイルは、米の外皮（ブラン）から抽出された油で、低温圧搾という製法
によって作られているオイルもあります。この製法により、ライスブランオイルは、
酸化が進みにくく、比較的長い期間保存することができます。
また、低温圧搾によって、栄養価が高く、健康に良い油として注目されています。
では、ライスブランオイルがどのような栄養価を持ち、どのような効果があるかに
ついても詳しくみていきましょう。これらの知識を身につけることで、ライスブランオイル
の魅力や健康効果について深く理解し、適切な使用方法を身につけることができますよ。
低温圧搾で作られるライスブランオイルとは？
ライスブランオイルは、米ぬかの外皮部分から抽出された植物油の一種であり、健康に良い成分
が多く含まれていることから、健康志向の高まりに伴い注目を集めています。
ライスブランオイルの製造工程は、精米とミリングによるライスブランの抽出、溶剤抽出法や
圧搾法による油の抽出、脱臭・精製による品質向上などの工夫がなされているんです。
ライスブランオイルの品質を向上するためには、原料の選定と品質管理が重要です。
原料となる米ぬかの品質がライスブランオイルの品質に直結するため、品質の高い米ぬかを
選定することや、米ぬかを適切に保管することが求められます。
ライスブランは、米粒の外側にある外皮部分であり、米ぬかの主成分です。ライスブラン
の抽出には、精米とミリングの二つの工程が必要であり、それぞれの工程での作業内容や
注意点についてみていきましょう。
ライスブランオイルの製造には、溶剤抽出法が一般的に用いられます。この方法では、
溶剤を使ってライスブランから油分を取り出します。工程の詳細や、残留溶剤の除去
に関する注意点があります。
対して、溶剤抽出法以外にも、圧搾法を用いてライスブランオイルを製造する事もできます。
ライスブランオイルは、特有のにおいや味がありますが、そのまま使用することはできません。
そのため、脱臭・精製の工程が必要です。この章では、脱臭・精製によってライスブランオイル
の品質を向上させることは容易ではありません。
ライスブランオイルは、酸化しやすく、保存方法に注意が必要だからです。
低温圧搾法によるライスブランオイルのメリット
しかし、低温圧搾法によって製造されたライスブランオイルは、品質が高く、
風味も良いとされています。低温圧搾法によって製造されたライスブランオイルは、
ビタミンEやオリザノールと豊富な栄養素も損なわれにくいです。
また、低温圧搾法によって製造されたライスブランオイルは、温度を上げずに抽出
されるため、ライスブランの特有の風味や香りが損なわれず、品質の高いオイルが
製造されます。また、軽い口当たりや爽やかな風味が特徴で、様々な料理に使いやすく、
美味しく仕上げることができます。
低温圧搾法によって製造されたライスブランオイルは、酸化しにくく、長期間保存しても
品質を保つことができます。酸化によって生成される有害物質が少ないため、健康にも良い
とされ、高温圧搾法に比べて、製造コストが低く、比較的安価で販売されていることも多いです。
ライスブランオイルの栄養成分と健康効果は？
ライスブランオイルは、米の外皮であるライスブランを原料として製造される食用油です。
その栄養成分や健康効果については、近年注目されています。では、ライスブランオイル
の栄養成分や健康効果について解説しますね。
ライスブランオイルの栄養成分
ライスブランオイルには、主に以下の栄養成分が含まれています。
１：オレイン酸
ライスブランオイルは、オレイン酸が含まれています。オレイン酸は、ヒトの体内
で生成されない必須脂肪酸の一つであり、心臓疾患や糖尿病のリスク低下、脂質異常症
の改善などに効果があるとされています。
２：リノール酸
リノール酸も、ライスブランオイルに多く含まれています。リノール酸は、
必須脂肪酸の一つであり、細胞膜の構成成分として必要不可欠な役割を持っています。
３：ビタミンE
ライスブランオイルには、ビタミンEが含まれています。ビタミンEには、抗酸化作用があり、
細胞の老化を防ぐ効果があるとされています。
４：カロテノイド
ライスブランオイルには、カロテノイドが含まれています。カロテノイドには、抗酸化作用
があり、眼精疲労や加齢黄斑変性症の予防に効果があるとされています。
５：オリゴ糖
ライスブランオイルには、オリゴ糖が含まれています。オリゴ糖には、腸内環境の改善や
免疫力の向上に効果があるとされています。
ライスブランオイルの健康効果
ライスブランオイルには、以下のような健康効果が期待されています。
１：心臓疾患のリスク低下
ライスブランオイルに含まれるオレイン酸は、血中の悪玉コレステロールを低下させ、
善玉コレステロールを増加させる効果があるため、心臓疾患のリスク低下に
つながるとされています。
２：糖尿病のリスク低下
ライスブランオイルに含まれるオレイン酸は、インスリンの分泌を刺激し、血糖値の上昇を抑える
効果があるため、糖尿病のリスク低下につながるとされています。
３：脂質異常症の改善
ライスブランオイルに含まれるリノール酸は、血中の悪玉コレステロールを低下させ、
善玉コレステロールを増加させる効果があるため、脂質異常症の改善につながるとされています。
４：抗酸化作用による老化防止効果
ライスブランオイルに含まれるビタミンEやカロテノイドには、抗酸化作用があり、細胞の老化
を防ぐ効果が期待されます。
５：腸内環境の改善
ライスブランオイルに含まれるオリゴ糖は、腸内環境を改善する働きがあり、便秘や下痢などの
腸のトラブルを改善する効果が期待されます。
なお、ライスブランオイルの健康効果は、ライスブランオイルの健康効果とは？使い方や保存方法も！
の記事に、詳しく書いていますので、是非ご参照下さい。
ライスブランオイルと他の植物油との比較
ライスブランオイルと他の植物油の栄養成分比較を一部ご紹介します。
１：ライスブランオイルとオリーブオイルの比較
ライスブランオイルとオリーブオイルは、どちらも健康に良い油として知られていますが、
栄養成分に違いがあります。ライスブランオイルは、オメガ6系脂肪酸のリノール酸が多く
含まれており、脂質異常症の予防に役立ちます。一方、オリーブオイルは、オメガ9系脂肪酸
のオレイン酸が多く含まれており、心臓疾患の予防に役立ちます。
２：ライスブランオイルとココナッツオイルの比較
ライスブランオイルとココナッツオイルは、栄養成分に違いがあります。ライスブランオイルは、
リノール酸が多く含まれており、脂質異常症の予防に役立ちます。一方、ココナッツオイルは、
中鎖脂肪酸が多く含まれており、エネルギー代謝を促進する効果が期待されます。
なお、ココナッツオイルの詳しい記事は、ココナッツオイルで代謝効率アップ！効果的な使い方とは？
に詳しくまとめていますので、是非ご参照下さい。
３：ライスブランオイルと大豆油の比較
ライスブランオイルと大豆油は、どちらもオメガ6系脂肪酸のリノール酸が多く含まれており、
脂質異常症の予防に役立ちます。ただし、大豆油は、イソフラボンが豊富に含まれており、
更年期障害の改善や骨粗鬆症の予防に役立つことが知られています。
ライスブランオイルと他の植物油の特徴比較
１：熱に強い
ライスブランオイルは、他の植物油と比較して、熱に強いという特徴があります。これは、
ライスブランオイルが高い耐熱性を持つためで、高温での調理に適しています。一方、
オリーブオイルやアーモンドオイルなどは、熱に弱く、加熱によって酸化しやすくなります。
２：香りが少ない
ライスブランオイルは、ほとんど香りがありません。そのため、食材の風味を損なうことなく、
調理に使用できます。一方、オリーブオイルやアーモンドオイルなどは、独特の香りがあるため、
風味を生かす場合に適しています。
３：価格が安い
ライスブランオイルは、他の植物油と比較して、比較的価格が安い傾向にあります。
これは、米の生産が世界的に盛んであるため、原料の入手が容易であることが一因です。
一方、アーモンドオイルやアボカドオイルなどの高級植物油は、原料の入手が難しく、
価格が高くなる傾向にあります。
４：使用用途が広い
ライスブランオイルは、揚げ物や炒め物などの高温調理に適しているだけでなく、
スイーツやドレッシングなどの料理にも使用できます。そのため、多彩な使用用途
があることが特徴です。一方、アボカドオイルやウォルナッツオイルなどの高級植物油は、
特定の料理にしか使用できない場合があります。
低温圧搾法と溶剤抽出法どちらが良いか？
ライスブランオイルを選ぶ場合、製造方法によって品質や栄養価が異なるため、溶剤抽出法
と低温圧搾法のどちらが良いかを考えてみましょう。
溶剤抽出法は、化学溶剤を用いて、ライスブランから油分を抽出する方法です。抽出後、
化学溶剤を蒸発させて油を取り出します。この方法は、原料から最大限の油分を取り出すことができ、
高い収率が得られます。
しかし、化学溶剤が残留する可能性があるため、食品添加物として認可されている場合が多く、
自然食品としての評価は低くなっています。また、高温で加熱処理をするため、油脂の成分に
変化が生じ、栄養価が低下する可能性があることを知っておきましょう。
対して、低温圧搾法は、ライスブランを低温で搾る方法です。圧力をかけて油を抽出するため、
溶剤抽出法と比べて原料の品質や栄養価が高く、自然食品としての評価が高いです。
また、加熱処理が少ないため、油脂の成分の変化が少なく、栄養価が維持される可能性が高い
とされています。一方、収率が低く、原料から油分を抽出するのに時間がかかるため、
価格が高くなる傾向があります。
以上のように、溶剤抽出法と低温圧搾法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
ライスブランオイルを選ぶ際には、品質や栄養価、価格などを総合的に判断しましょう。
特に、あなたが自然食品やオーガニック製品にこだわる場合には、低温圧搾法がおすすめです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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